掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「お父さん! ボーッとしないで!
臍帯切りますよ」

「え、は、はいっ!」

臍帯を切るためのハサミを渡された。

そう言えば聞いていたけど、立ち会いの場合は父親が切るんだった。

不思議な感覚だった。
チョキンと切ると、直ぐに赤ちゃんは用意してあった体重計に置かれた。

「3080g 」

そんなに育ってたんだ…

計測が終わると用意してあった台の上に置かれ、簡単に拭ったあと、オムツを履かされた。

「淳くん、産まれたね。彗ちゃん」

「あぁ、あぁ…ありがとうな、環…
よく頑張ったな」

いつものように頭を撫でてやる。
本当に頑張った。
陣痛に耐えて、立派に産んでくれた。
すごいよ。本当にすごい。
女性の強さ、母親の強さを初めて見た。

もう一度軽い陣痛が来て、後産が終わった。

すると、オムツを履かされて、タオルにくるまれた我が子が連れてこられた。
小さな腕には『倉田 環』と書かれた輪っかをしている。
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