掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

文化祭 side拓郎

二学期が始まった。

夏休みに大体の準備は整った。
文化祭は毎年9月第2週の金曜と土曜と決まっている。

夏休み中、咲希からは再三に渡って、連絡があった。
俺はもう別れたはずなのに、何故だかあいつの中では別れたことになっていないようだ。

正直、鬱陶しい。
変わった声の面白いやつだと思って付き合うことにしたが、あんなに粘着質だと思わなかった。

顔だって、アイドルみたいに可愛いともてはやされているようだが、そんなに大したことはないと思う。

物心ついた時から、隣の泉を見てきた俺だ。泉に比べれば、どう考えても劣るだろう?

今更ながらに、安易に付き合ったことが悔やまれる。
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