Late teens story
貴史(あのなぁ、今更 こんなこと教えるのも罪な話しかもしれないし 残念な気持ちになるかもしれないけど、、、)

(まあ、とにかく 沙彩を信じたい気持ちがあったのも確かなんだけどな!)

明日和(・・・・?)

貴史(あいつな 出会った頃は そうでは無かったんだけど、途中くらいで どうもクラブで知り合った奴と薬なのかシンナーなのか やり出した時があってよぉ、それに気づいた俺とケンカにもなったんだよな。)

(で、その時は 薬に手を出さなくなってくれたよ。)

(今回、明日和と俺と2人で沙彩達と久しぶりに会った時も 大丈夫そうだったな!)

(おう!それで かおりのことは心配しなくていいぞ! あの子は 薬には手を出してない!)

(どちらかと言えば 俺と一緒に止めて見護る側だったからな。)

(だから 逆に かおりは沙彩の苦しみも みんな知ってるくらいだろうし あの子はまた違う意味で悲しみを背負っているかもしれんな、、、、、。)

(それでな、実は大会前の練習を終えた後に一度、沙彩に会いに行った日があってな。)

(その時、沙彩が また やっちまってたらしくてよ、、、、)

淡々と話しは続いたが明日和の耳にはこれ以上 届かなかった。。。

出会った日から あらゆる瞬間に それぞれが見せたいろんな表情、特に笑顔、声、言葉、態度、歌、涙、全てが大好きで、大好きな人達に潜んでいた苦悩を知ると苦しくて、悲しくて、寂しくて、どうにかしてあげたくて、でも自分もまた力足りない情けない男であって、もはや 屍状態であった。


16歳の明日和には ありえないほど乗り越える事の難しい 恋愛の高い壁であった。


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