冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

 母の言葉を聞いた一番上の姉の桜ちゃんが「菫、お腹空いてないの?」と、私の様子を窺う。すると、二番目の姉の綾芽ちゃんが「菫のことだから途中のサービスエリアで美味しいもの食べてきたんでしょ」と、ぼそりと告げる。

 それに対して私は首を横に振った。

「食べてないよ。お腹は空いてるんだけど、おいなりさんひとつで満足しちゃったというか、最近なんだか食が進まないんだよね。ちょっと気持ちも悪いし」

 コップの中の麦茶を飲みながら「夏バテかな」と呟く。すると、それに同意するように母が頷いた。

「最近、暑かったからね。東京はこっちよりも蒸し暑そうだからバテちゃうわよね」
「梅雨が明けたらもっと暑くなるのに今から夏バテとかいってどうするのよ」

 綾芽ちゃんがぼそっと告げる。それに対しても母が「菫は暑いの苦手だもんね」と、私を心配そうに見つめた。

 実際、夏バテかどうかはわからないけれど最近食が進まないのは本当だ。お腹は空くのだけれど、ちょっと食べただけで満足してしまうし、気持ち悪くなるときもある。

 今もちょっと胃がムカムカしていて、麦茶を飲んで落ち着かせていた。
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