冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~



 ――眩しい光が差し込む室内でぱりちと目を覚ます。

 時刻は午前十時。

 隣を見ると充さんの姿はもうない。あたりを見回しても彼の姿はどこにも見当たらず、ハンガーに掛けてあったスーツもなくなっているので、すでに部屋を出たあとなのかもしれない。

 今日は日曜だけれど、いつも通り仕事に行ったのだろうか。

 ベッドから抜け出し、床を足につけて立ち上がった瞬間、ふらっと体がよろけてしまう。とりあえずシャワーを浴びるため、ショーツ一枚しか身に着けていない状態でふらふらとバスルームに向かった。

「えっ、なにこれ……」

 そこにある鏡に写った自分の体を見て目を見開く。ところどころに赤い痕が残っているのだ。

 おそらく充さんの仕業だろう。唇だけでなく、体中にキスをされたけれど、まさかこんなふうになっているとは思わなかった。

 昨晩の記憶が鮮明に蘇る。

 この赤い痕は充さんにたっぷりと愛された証……そう思いたい。

 昨晩の彼はまるで私のことを愛しい存在であるかのように優しく丁寧に抱いてくれた。

 体を重ねたことで、夫婦としての絆が少しは生まれたような……。そうだったらいいなと思う気持ちが、あの夢に繋がったのかもしれない。

『――愛してるよ、菫』

 私に向かってそう告げた充さんの表情や息遣いまでやけに鮮明に思い出すことができる。随分とリアルな夢だった。
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