能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
リビングに顔を出すと、スーツ姿の父がそこにいた。

「ーーお父さん…?」

何故か父の様子がおかしくて、私は久しぶりに父を呼んだ。

どうしたのだろう?

父に歩み寄ると、彼の手元に何かあることに気づいた。

それを覗き込むと、
「えっ…?」

驚きのあまり、私の口から小さな声がこぼれた。

父が持っていたそれは、離婚届だった。

離婚届にはすでに母の名前とハンコがあった。

後は父の名前を書いて役所へ出せば離婚は成立する…と、そんなのん気なことを言っている場合ではない。

「お、お父さん…?」

離婚届を持っている父は私に気づいていないのか、何も答えようとしない。

ふと見ると、父の足元に1枚の紙が落ちていることに気づいた。

それを拾いあげて確認をすると、私は全てを理解した。
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