ダブルブルー
「…お風呂、お借りしました」


思いきって、洗面所のドアを開けながらソファーに座る、久保田さんの背中に語りかけた。


「あぁ。おかえり」


振り返りながら、そんなコトバをかけてくれる。


少し、水分が残っている洗いざらしの髪の毛や、すっかりリラックスしている表情。


飾らない久保田さんの姿を目の中に映した。


「蒼ちゃん、蒼ちゃん。こっち、おいで」


穏やかな手招きに、ふらふらと歩を進める。


ほら、ここ座って?もう、髪の毛びしゃびしゃじゃん。ちゃんと拭かなきゃ、風邪ひいちゃうよ?


後ろを向かせた私の髪の毛を、バスタオルで丁寧に拭いてくれる。


ちょっと待ってて?


ドライヤーまで持ってきて、穏やかな手つきで乾かしてくれた久保田さん。



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