ダブルブルー
右手を引かれて、室内へ。


私が左手に握っていたビールの缶を、取り上げた青さん。


「まだちょっと、残ってる」


中身を一気に煽った青さんは、そのまま私にくちづけた。


舌先でこじ開けられたくちびるの隙間から、苦味のあるビールが流れ込んでくる。


それをごくりと飲み下したら、合図のように深い深いキスの波がやってきた。


頭の後ろに廻された、青さんのてのひらの熱は、痛いほど。



溺れる。と、思う。


でもそれは決して、怖くは、ない。


むしろ、もっと、もっと。


この際、深海の底まで堕ちてしまいたい。


ふたりで、ふたりきりで、紺碧のブルーに包まれて。








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