傷だらけの黒猫総長
わたしを拘束したままズンズンと歩く男の人を見て、若菜ちゃんや矢吹先輩、他の何人かの人は苦い顔をして動きを止める。
逆に、口笛を吹いたり、ニヤニヤ笑っている人達もいて、悪い人と飛翔謳歌の人の見分けは簡単についた。
「お前がそのアザを作ったのか……」
「あぁん? 小さくて聞こえねぇなぁ」
「ごめんね、皇輝くん……」
どうしてわたしが連れてこられたのか、男の人の意図がようやく分かって、弱々しく謝る。
迂闊に近寄らなければ、こうして迷惑をかけることもなかったのに。
わたしを見た皇輝くんは、分かりやすく怒りの表情を浮かべて、今までに見たことがないくらい、鋭い目を男の人に向けた。
「苑香を殴ったのはお前かって聞いてるんだ」