課長に恋してます!
 早川の事を考えていたら、いつの間にか列の先頭に来てた。慌ててパスポートと、航空券を出してチェックインを済ませた。
 
 早川の事は衝撃が強すぎて、胸が苦しかった。
 早川とは入社した時、新人研修が同じ部署で、それから親しく付き合うようになった。

 ゆり子と一緒になる為に、香港行きの辞令を断ろうか、迷ってる時も早川は相談に乗ってくれた。
 そして、自分の思う通りにするのが一番だと、背中を押してくれた。

 早川の言葉が大きかった。
 香川にはバカだと言われたが、香港行きを辞めた。

 ゆり子と一緒なれたのは早川のおかげだと思ってる。
 だから、結婚式にも来てもらった。
 そして、ゆり子の葬式にも来てくれた。

 恩人のように思っていた早川がまさか、部下と出来てたなんて。
 真面目で、奥さんを大事にしてたのに。

 やるせない想いが込み上がる。

 【出発 Departures】と書かれた方に歩きながら、苛立ちが募った。
 なんで早川は相談してくれなかったんだ。
 心中するまで思いつめていたのなら、相談してくれたって良かったのに。
 どうして何も言ってくれなかったんだ。

 保安検査の列に並ぼうとした時、いきなり腕を捕まれた。
 掴んだ相手を見た瞬間、心臓が大きな鼓動を打った。
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