課長に恋してます!
 次の日から上海出張だった。香港に戻るのは日曜日の午後だった。

 紡績工場で一日打ち合わせをし、夜は工場の人たちと親交を深める為、会食をして21時にホテルに帰って来た。
 一昨日程ではないが、今夜も付き合いで少々酒を飲んでる。
 
 シャワーを浴びてからベッドに横になった。
 温泉という言葉が頭に浮かぶ。
 
 一瀬君怒ってるかな。

 昨日の朝の電話が気になっていた。約束したのに、覚えていないのは確かに悪かった。しかし、一瀬君との関係を大事にしたいから、そういう事はゆっくりと進めたい。

 若い時だったら、何の迷いもなく突き進むだろうが……。
 いや、今だって本当はそうしたい。

 だけど、その後恋しくなってしまう。一瀬君の体を知ってしまったら離れられなくなりそうで、イヤなんだ。
 すぐに会える距離にいない。お互いにきっと寂しくなる。
 今だって寂しいのに。

 かなり一瀬君の事が好きなんだな。
 胸の奥から大きなため息が出た。
 
 滅多に会えないからこそ、一瀬君の喜んだ顔が見たい。
 やっぱり行こうか。温泉。
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