課長に恋してます!
「し、上海ってどんな感じなんですか?」
とりあえず上海の話をして、このドキドキを誤魔化そうと思った。
「香港よりは暑くないよ。気温は東京に近いかな。物価も香港より高くないな。黄浦江という大きな川が流れててね、その川の右側と左側では全然景色が違うんだよ」
「どう違うんですか?」
「右側は香港のような近代的な高層ビル街なんだけど、左側は上海租界時代の洋式の建物が並んでたり、中国的な建物があったりするんだ。面白い街だよ」
「上海租界って聞いた事があります。租界って外国人居留地の事ですよね。アメリカとかフランスとか、イギリスの租界になってたって学生時代に習いました」
「その通り。上海は一八四三年に開港して以来、列強の国々が競うように美しい建物を建てたんだ。『東洋のパリ』って呼ばれるほど華やかだったらしいよ」
「見に行ってみたいな。私、乗り継ぎで上海に行っただけだから街の様子全然知らないんですよね」
「乗り継ぎ? どこに行ったの?」
課長が興味深そうな目を向けてくる。
「えーと、香港」
「じゃあ、今回、上海乗り継ぎだったの?」
「いえ、三月に来た時に。あの、課長と羽田で会った前日に香港にいたんです」
「え! 香港に来てたの?」
課長が瞳を大きく見開いた。
「……課長に会いたくて。でも、石上から課長が長野に行ったって聞いて、香港に行った日に帰国したんです」
「つまり、香港を日帰りしたってこと?」
「……はい」
両眉を上げた課長が信じられないものを見るような表情を浮かべる。
勢いで言ってしまったことに後悔する。
「僕に会うためにそこまでしたの?」
驚きを含んだ声が響いた。
自分の行動が恥ずかし過ぎて、俯いて、膝の上の手をぎゅっと握る。
「……引きますよね」
「いや、全然。むしろ嬉しいよ」
まさか私の行動を喜んでくれるとは思わなかった。
思わず顔を上げると、課長の優しい笑顔がさっきよりも近くにあって、ドキリとした。
とりあえず上海の話をして、このドキドキを誤魔化そうと思った。
「香港よりは暑くないよ。気温は東京に近いかな。物価も香港より高くないな。黄浦江という大きな川が流れててね、その川の右側と左側では全然景色が違うんだよ」
「どう違うんですか?」
「右側は香港のような近代的な高層ビル街なんだけど、左側は上海租界時代の洋式の建物が並んでたり、中国的な建物があったりするんだ。面白い街だよ」
「上海租界って聞いた事があります。租界って外国人居留地の事ですよね。アメリカとかフランスとか、イギリスの租界になってたって学生時代に習いました」
「その通り。上海は一八四三年に開港して以来、列強の国々が競うように美しい建物を建てたんだ。『東洋のパリ』って呼ばれるほど華やかだったらしいよ」
「見に行ってみたいな。私、乗り継ぎで上海に行っただけだから街の様子全然知らないんですよね」
「乗り継ぎ? どこに行ったの?」
課長が興味深そうな目を向けてくる。
「えーと、香港」
「じゃあ、今回、上海乗り継ぎだったの?」
「いえ、三月に来た時に。あの、課長と羽田で会った前日に香港にいたんです」
「え! 香港に来てたの?」
課長が瞳を大きく見開いた。
「……課長に会いたくて。でも、石上から課長が長野に行ったって聞いて、香港に行った日に帰国したんです」
「つまり、香港を日帰りしたってこと?」
「……はい」
両眉を上げた課長が信じられないものを見るような表情を浮かべる。
勢いで言ってしまったことに後悔する。
「僕に会うためにそこまでしたの?」
驚きを含んだ声が響いた。
自分の行動が恥ずかし過ぎて、俯いて、膝の上の手をぎゅっと握る。
「……引きますよね」
「いや、全然。むしろ嬉しいよ」
まさか私の行動を喜んでくれるとは思わなかった。
思わず顔を上げると、課長の優しい笑顔がさっきよりも近くにあって、ドキリとした。