課長に恋してます!
「課長、そういう冗談は言わないで下さい。本気にしますよ」
「香港は寂しいんだよ」
「電話でも言ってましたね」
「そんな事も言ったのか。女々しい男だな」

 課長が自嘲気味に小さく笑った。

「嫌いになった?」

 課長と顔を見合わせた。

「なる訳ないじゃないですか。実はちょっと心配になって会いに来たんです。電話越しの課長が物凄く寂しそうだったから」

 課長が目を見開いた。

「じゃあ、帰らないで欲しい。香港にいる間は側にいて欲しい」

 私を必死につなぎ留めようとする言葉に胸がいっぱいになる。
 そこまで課長に求められて何だか照れくさい。

「調子に乗りますよ」

 照れ隠しにわざと悪戯っぽく口にした。
 だけど、その瞬間、ぐいっと肩を引き寄せられた。

「帰したくないんだ」

 耳元に吐息混じりの声がかかり、頭がクラクラする。
 課長からこんな言葉が聞けるなんて、夢にも思わなかった。
 好きって言われたけど、私の方がすごく好きで、課長は仕方なく付き合ってくれるぐらいに好きだと思っていた。

「課長、違う人みたい」
「違う人?」
「だってなんか、私に夢中って感じで」
「夢中だよ。美月が好きで仕方ないんだ」
「泊まっていいんですか? 襲いますよ」
「僕が襲うから大丈夫」

 熱い唇が重なった。
 さっきよりも長いキスだった。
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