秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
目が覚めると、もう太陽が高く登っていた。

腕時計の針は午前9時を指している。


俺たちの手はまだ繋がれたままで。
俺の右側に、桜さんが眠っていた。


ようやく、想いが通じたんだ・・。


「おは・・よ」


ゆっくりと目を開けて、囁くようにそう言った桜さんの髪をすくように撫でた。


「くすぐったいよ・・」

「嫌?」

「嫌じゃない・・けど」

「桜さん、今日休みで良かったね」

「ん? 朝まで話せたから?」

「それもあるけど、こんな甘々な雰囲気じゃ、俺も桜さんも仕事するのが難しいかなって」


何かを思い出したように、スッ、と桜さんの顔から甘さが消えた。


「桜さん?」

「あ、うん、ごめん。何でもない」


そう言った桜さんを、俺は抱き寄せた。


「桜さん、『直生』って呼んでみて」

「えっ?」

「ほら、早く」

「・・直生」

「この家にいる時は、俺は桜さんの恋人。だから、甘えてくれたら嬉しい」


ひとつだけ、確かめたいことがあった。


俺は桜さんを『大切に思ってる』と伝えて、キスもしたけれど。

桜さんが俺を『恋人』だと認めてくれたのかどうか・・だ。
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