秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
霊園の帰りに寄ったレストランで、遅めのランチを食べながら、桜が会社のことを話してくれた。

悪い状況ではないけれど、この先のことを少し迷っているのだと言う。


「会食しながら、いろいろな提携話を持ちかけられるのよ。当然、私も相手の業容や業態は事前にリサーチして臨むから、その場で振り回されることは無いんだけれど」

「そうだよな。毎回時間取って調べてるなと思ってた」

「終わってから思うのよ。もしかしたら、提携した方が可能性が広がったんじゃないかって」

「そうか、それで藤澤を呼んだのか」


客観的な意見が欲しかったのだと桜は言った。

確かに・・そこは俺にはどうにもできない。


「だけど、直生が藤澤に嫉妬するとは思わなかった。それが一番の誤算かな」

「誤算?」

「だって藤澤を呼んだことがきっかけで、直生と恋人同士になれるなんて、まさかでしょ?」


ふふっ、と嬉しそうに笑う桜が印象的だった。

俺は桜にアドバイスできるような立場にはいないけれど、その代わりに、公私ともにいつでもそばにいることならできる。


「桜。俺、いつだって桜のそばにいるから」

「うん・・ありがとう」


初めてふたりで過ごした週末は、とても穏やかな時間が流れた。
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