俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「いい加減その恥ずかしい呼び方やめてください。逆にみじめです」
「なんでだ」
「なんでって、別に前からずっと思ってたことで――」
「パイロットの旦那に浮気されたからか?」
そこで、初めて最上さんの瞳がこちらを向いた。触れられたくなかった心の傷を土足で踏みつけられたような感覚がして、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
なにも言えずに下唇を噛みしめていると、最上さんが続ける。
「信濃に連絡もらって、俺もあの写真を見た。あれだけでふたりの間になにかあったとは言えないが、一番大事な女と離れてるときにほかの女に隙を見せたのは事実。うちのかわいい姫をかっさらっておいて、中途半端な真似をした深澄を、俺は許せそうにない」
「最上さん……」
優しい人だとは思っていたけれど、ここまで私のために怒ってくれるなんて。
運航整備部に配属されて以来、ずっと保護者のように私のそばにいて指導してくれた彼だから、わが子が傷つけられたような気持ちなのかもしれない。