俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「ありがとうございます。私が姫っていうより、たぶん……彼の方が遠い国の王子様だったんですよね。彼にはきっともっとふさわしい相手がいるけど、たまには違うタイプをつまみ食いしてみたくなったとか、きっとそういう軽い気持ちだったんです。だから、本気になっちゃいけなかったのに……」
そうだよ。本気だったら、鷹矢さんだって契約結婚なんて回りくどい提案はしない。
いつまでも弄ぶようなキスだけでその先に進まないのも、私のことは遊びだったからとしか思えない。
結局私は、彼の手のひらで転がされていただけなのだ。
すっかり騙されていた。鷹矢さん自身が、私との暮らしを楽しんでいるように見えたから……。
話しながらも、鷹矢さんの色々な表情が頭に浮かんで、喉の奥が熱くなった。
「なのに、思いっきり、好きになっちゃって、私……っ」
笑ったつもりなのに、勝手に涙があふれてきた。まぶたを冷やせと言われてしまうほど見苦しい顔だったのに、これじゃさらに酷くなってしまう。
そう思っても涙は止まることなく、ぽろぽろと頬を伝ってこぼれていく。