俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
翌日ホテルから向かったのは、年二回の航空身体検査を行う指定医療機関でもある総合病院。
受診したのは循環器内科で、受付に問診票を提出した後、心電図と心エコー、血液検査を済ませてから、診察室に呼ばれるのを待った。
十五分ほどで、俺の番号が呼び出される。
診察室で向き合ったのは、眼鏡をかけた中年の穏やかそうな医師。名札には【蓮田】とあった。蓮田医師は検査結果を眺め得心したふうに頷くと、俺をまっすぐに見て言った。
「急性心膜炎ですね」
「心膜炎……?」
聞き慣れない病名だった。蓮田医師は頷き、デスクの上に置かれた心臓の断面図の模型を手にしながら説明してくれる。
「ここ、心臓の外側に膜が二枚あるんですが、その隙間に液体が溜まって、炎症を起こしている状態です。拝見した問診票で風邪のような症状もあるとのことですから、おそらくウイルス性でしょう」
心臓の外側に炎症。なんとなく自分の状態はわかったが、やはり気になるのは今後の経過である。
「あの、治療内容とその期間は? 入院の必要はあるんでしょうか?」