俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「光里」
三人が帰っていき、再び病室が静かになったところで、俺は彼女を呼んでそばに座らせた。
光里の頬に手を伸ばし、触れる。
病のせいで痛む時とは違う甘い苦しさが、俺の胸を締めつけた。
「とっくにわかってると思うけど……俺、お前が好きだ」
今までこの言葉を口にしなかったのは、わざとだった。
機体にキスした一瞬で俺を虜にしたくせに、いざ一緒に住み始めてみると、彼女はあまりに不慣れで鈍くて、恋愛を知らない。
俺ばかりが気持ちを押しつけているのでは癪なので、〝好き〟のふた文字だけはあえて胸に閉じ込めたままにしていたのだ。
もちろん、態度には完全に表れていたと思うが……。
「とっくに、じゃないです……っ」
絞り出したように言った光里は、驚いたことになみなみと瞳に涙をためていた。
目のふちと鼻の頭を赤くして、ずっと洟を啜る。
「はじまりが契約結婚だし、思わせぶりな言動はあったけど、決定的なひと言がないから、ずっと不安で……。遊ばれているんじゃないかって疑いが、いつも拭えませんでした」