俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「俺、今回のことを反省するとともに、高城さんから逃げないで立ち向かおうって決めました。あの人のやり方は間違っています。僕だけでなく女性の新人CAたちも困っていますし、あの人のせいでCA全体の評判を落とすなんてことにしたくありません」
いつもオドオドしていたはずの堂島だが、ひと皮剥けたようだ。
彼の頼もしい宣言に俺も微笑んで頷き、ついでに言葉を添える。
「応援してるよ。アイツがどんな言い逃れもできないようにパワハラの証拠を集めて、完膚なきまでに叩き潰せばいい」
たぶん、高城はそれでも折れたりしない。
とことん図太い女だから、遠慮する必要はないだろう。
「はいっ」
新人らしくキラキラ目を輝かせて返事をした堂島に感化され、俺はふと、まだ訓練生だった頃の初心を思い出す。
俺にもこんな頃があった。あの巨大な旅客機を、機長になって自分の手で空に飛ばしたい。
その夢だけに一直線で、未熟ながらもやる気だけは誰にも負けない自信があった。
もう一度、あの頃のように新鮮な気持ちで挑めばいい。
今も昔も変わらない夢を胸に携えていれば、俺はもう一度空を目指せるはずだ。