俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
私たちが点検した時、ギア自体にも、その出し入れを制御するシステムにも異常は見られなかった。
それに那覇空港でだって、ライン整備は受けているはずだ。
なのに、どうして……。
「私たち、なにか見逃してしまったんでしょうか?」
「そんなはずは……」
不安に駆られて最上さんに尋ねた直後、石狩さんが空を指さして叫ぶ。
「来たぞ、あれだ!」
滑走路に向かって下りてくる、スカイイーストのロゴがついた機体。間違いなく、私たちが整備した機体だ。
左右の主翼それぞれについているメインギアは出ているが、前輪だけが出ていない。私たちは自然と滑走路の見える場所まで移動し、固唾を呑んで着陸の様子を見守った。
「降りてくる……みたいですね」
「接地の衝撃でギアが出ないか確かめるつもりかもしれない。出なければ、おそらくまた空に戻る」
「タッチアンドゴーか……そんなんで、出るのかな……」
タッチアンドゴーとは、着陸後に素早く離陸体勢に入り、再び加速し離陸する操作のこと。
訓練では行われることが多いけれど、実際のフライトではまず見ることがない。
お願い、出て……。