俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
思わず両手を祈るように組んで、降下する機体をジッと見つめる。
やがてメインギアだけを滑走路に接地させ、機体は速度を落とす。しかし、前輪が出ることはなく、再び速度を上げた機体は上空へ戻っていった。
「どうすんだ……」
「燃料の残り次第で、もう一度タッチアンドゴーを試すか……それとも」
空を見ながら呟くふたりの脇で、私はもうなにも言えなくなっていた。
口を開いたら涙がこぼれてしまいそうだった。
どうしてこんなことになったんだろう。どうして鷹矢さんの、よりによって復帰一日目の便が、こんな不運に見舞われるの?
私たちの整備に不備があったんだとしたら、どうやって償えばいいんだろう。
鷹矢さんたちクルーの、そして乗客たちの安全が、私たちのせいで――。
揺らめく視界の向こうで、鷹矢さんの操縦する機体は、もう一度、タッチアンドゴーの操作を試す。やはり、前輪は出ない。
そのうち、火災やけが人に備えて多数の緊急車両が滑走路のそばに集まってくる。
どこから入ったのか、報道機関の記者やカメラたちも、周囲に集まっていた。