俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
どれくらい時間が経っただろう。カフェに流れるピアノのBGMが耳に心地よく、目の前に滑走路が見えるという絶好のロケーションということもあってか、私はかなり集中していた。
ひと息ついて、ふとカウンターに出していたスマホで時間を見る。
すると来た時から一時間以上経過していて、思わず「えっ!?」と声に出した。
「……やっと気づいたか、この飛行機バカ」
右手から呆れたような声がして、私はパッとそちらを向く。
ひとつ間を空けた隣の席に深澄さんがいて、気怠そうに頬杖をつきながらこちらを見ている。カウンターに乗っているアイスコーヒーのグラスはすでに空だ。
いつからそこに……?
「もしかして、ずっと待ってました?」
「そうだな」
「声かけてくださいよ!」
深澄さんのマンションから空港までは二十分ほど。駐車場からここへ移動するのにかかった時間を加味しても、三十分以上は待っていただろう。