俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 あからさまに嫌な感じだが、完璧な美しさを毎日維持している彼女たちの努力を思うと、私のように見た目に構わない女は風変わりと評価されてもおかしくない気がした。

 ちょっと唇になにか塗ったぐらいで変わるわけないもんね……。

 今までそんなこと気にならなかったのに、妙に劣等感を覚えて俯いたその時、頭の上にポンと深澄さんの大きな手がのった。

「ホント、風変わりで飽きないんだコイツ。男ってものをなにも知らないから、開発していくのが楽しみで仕方ない」

 そのままぐいっと私の頭を引き寄せた彼は、髪の上から私の額辺りにチュッとキスをした。

 CAたちの目前、というかそもそも公衆の面前でそんなことをされるとは想定外で、一瞬頭がショートする。

 若いCAたちから「きゃぁっ」という悲鳴が上がり、高城さんも信じられないというように目を見開く。

 時間が経つにつれ恥ずかしさを自覚して、湯気が出そうなほど顔が熱くなった。

「じゃ、俺たちはこれで。なに照れてんだよ光里、これから家でもっとすごいことするっていうのに」

 私の頬を摘んで引っ張り、深澄さんが妖しげなささやき声を出す。

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