俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「聞き返すなよ馬鹿。こんなに正面から女を口説くの慣れてないから、照れんだろうが」
深澄さんが照れる? そんな馬鹿な……。
探るように彼の瞳を覗くと、彼の方もまた私を見つめ、視線が絡んで身動きが取れなくなる。直後に衣擦れの音がして、深澄さんがゆっくり私の唇を塞いだ。
数秒唇を重ねて一瞬離れたものの、すぐにまた角度を変えたキスが私の呼吸を奪う。
何度されても慣れないキスに、心臓がはち切れんばかりに暴れる。
契約結婚の相手に心を乱されたくなんてないのに、彼の唇の熱さに、キスの途中でこぼれる悩ましい吐息に、いちいち感情が昂って苦しくなる。
こんな感覚は初めてで、自分がどうかしちゃったんじゃないかと不安になる。
「深澄さ……っ、もう、やめて……っ」
そっと胸を押し返して伝えるも、深澄さんは完全に無視して、ますますリップ音を立てながら激しいキスを繰り返す。
もがくように息継ぎをしていたら、それに気づいた深澄さんが、額をコツンと合わせて少しの休息を与えてくれる。