激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 夏のアートネイルで、打ち上げ花火を描いたデザインを作ろうと思っていたのだ。

 デスクの端に置いたミニデジタル時計にちらりと目を向け、二十一時を回ったことを確認する。

 まだ、帰ってきてないよね……?

 昼間、クライアントと会う約束があると言って出ていった香椎さんは、まだ帰宅していない様子。

 私も軽く夕飯を近くに食べに出かけて帰宅後、ずっと自室にこもっているから部屋の外の様子はわからない。

 でも、何も物音がしないから、帰ってきてはないのだろう。


「ハァ……」


 ひと区切りついて、部屋の中をぐるりと見回し、ついため息が漏れ出た。

 椅子を立ち上がり、ブラインドカーテンを閉めている窓を覗く。

 そこに広がる宝石を鏤めたような東京の夜景に、改めて自分の生活が突如一変したことを思い知った。

 こんな景色を望める部屋で、いつものようにネイルチップ作ってるとか……。

 他の部屋とは雰囲気の違うナチュラルインテリアの落ち着く空間。

 正直、こんな素敵な部屋を用意してもらえるとは思ってもみなかった。

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