激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「すごくいい。似合っている」
ナイトウェアを私服を褒めるように絶賛するのは何かおかしな気もするが、俺からの返事に京香は目尻を下げる。
「そうですか? 良かった」
ホッとしたようにはにかみ、また「ありがとうございます」と言う。
「では、安眠かどうか、確かめにいきますね」
「寝るのか」
「あ、はい」
「それなら一緒に眠ろう」
書類作成の仕事も、ちょうど区切りがついたところだった。
しかし、京香は思いっきり動揺を露わにする。
「え、あの、寝るって」
「先に寝室で待っててくれ」
ここでの同居が始まって三日。まだ同じタイミングでベッドに入ったことはない。
ベッドがひとつの寝室を用意したことに、京香ははじめ抗議していた。
それでも契約関係を盾に彼女に納得してもらい、この環境を勝ち取ったが、今考えればやっぱりやり方が強引だったと反省している。
だからなのか、無意識のうちにベッドに入る時間を遅くしてみたり、事務所に泊まり込みで仕事をこなしたりしていた。
彼女が眠ったあとに、広いベッドの上で距離を取って眠りにつく。そして、彼女が目覚める前にベッドを抜け出す。
京香からしてみれば、あの寝室でまだ一緒には眠っていないと思っているかもしれない。