激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「あ……痛くなってきた」
「痛みが弱まってきたら教えてくれ」
私の手を握りながら透哉さんが言う。
痛みの起こる間隔を時間で計っておいてほしいと、さっき助産師さんに頼まれているのを聞いていた。
その間隔が狭まり、痛みが大きくなってくると本陣痛になっていく。
握ってくれる透哉さんの手を、痛みが強くなればなるほど握りしめてしまう。
透哉さんは「紛れるならもっと握っていい」と言ってくれ、遠慮なく握りしめていた。
「香椎さん、ちょっと内診しますね」
助産師さんがやってきて、内診をする。
近くにいた看護師に「先生呼んできて」と声を掛けた。
「香椎さん、そろそろ陣痛ついてきているから、呼吸落ち着けてね。赤ちゃんにも空気送るように呼吸して、頑張りましょう」
助産師さんの声に耳を傾けている余裕もなくなってくるほど、陣痛の痛みはますます強烈さを増してくる。
「京香、大丈夫か。頑張れ!」
耐えがたい痛みの中、愛しい人の声がずっと私を励まし続ける。
気絶してしまいそうな自分を振るい立たせ、指示の通り呼吸を整えながら力んだ。
そして──。
「香椎さん、産まれましたよ、元気な男の子―!」
元気な産声を聞きながら、汗まみれの私の顔には喜びの涙が一筋目尻を流れていった。