激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 お見合いの代理だなんて口を滑らせた私は、潤子伯母さんに頼まれ、従姉妹の代わりにお見合いに出た事情を菜々恵に話した。

 その相手が、なんと一度仕事の関係で会ったことのある弁護士だったこと。

 そして、私の失態によって隠さなくてはいけない代理だということがバレた挙句、なぜか同居込みで婚約者のフリをしろと要求されたところまでを話した。


「なんか、ドラマにでもありそうな話!」


 困り果てている私とは対照的に、菜々恵はなぜか楽しい話でも聞くような調子でそんなことを言う。


「ちょっと、私は結構深刻問題だって悩んでるのにひどい」

「ごめんごめん。そういうつもりじゃないんだけど、代理お見合いに代理婚約者とかさ、現実ではあまり聞かない話じゃない?」


 そこまでを一気に言った菜々恵は、「それで」とテーブルに両肘を置いて身を乗り出す。


「どうするの? 話は進んでるの?」

「進みようがないでしょ。ただ婚約者って名乗るだけだと思ってたのに、一緒に住むなんておかしな方向に話が進んじゃって」

「でも、断れないんでしょ? 伯母さんの手前」


 菜々恵からの問いに、つい「はぁ……」とため息をつく。

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