激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「こんばんは。お待たせしました」
「こんばんは。待ってないから大丈夫」
「いいんですか、今の女性」
「ああ。飲みに行かないかと声をかけられただけだ。断った」
まさかのナンパだったとわかり、ぎょっとする。
女性が放っておかないだろうとは思っていたけれど、その現場を目の当たりにするとは思いもしなかった。
「店を予約している。行こう」
「あ、はい」
香椎さんの斜め一歩後ろをついていくこと数分。
立ち並ぶ雑居ビルの地下へと向かう階段前で足を止める。
「食べられないものはないと聞いたから、寿司にしたけれど、大丈夫か」
「はい。問題ないです」
香椎さんのあとに続き、地下に続く石造りの階段をそろそろと下りていく。
階段の隅にはところどころに竹細工の小さなランプがオレンジ色の淡い光を放っている。
雰囲気から高級店だというのがわかり、また別の緊張が募る。
お寿司なんて、今まで回転寿司しか行ったことがない。
きっとこの先にあるのは、カウンターの寿司店だというのは間違いない。