激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「すごいですね。驚きました」
「そうか。すごいなんて言われたことない」
「え? ご両親とか、きっと言ったはずですよ」
「うちの両親は、弁護士になるのは反対だったから。そうでもないな」
ふっとわずかに笑みを浮かべ、香椎さんはあっさりとした口調で重大なことを言う。
司法試験なんて難しい試験に受かって喜ばない親はいないはず。
「反対、していたんですか? 他に目指してほしいものがあったとか?」
両親が弁護士よりなってほしいものって、一体なんだろう?
「家業を継いで欲しかったんだろう。〝カシイミコ〟は聞いたことあるか」
「あ、えっと、たしか有名なファッションブランド……?」
「ああ。うちの祖母がデザイナーをしている」
「えぇ!?」
私なんかには縁のない世界的有名ファッションブランド、カシイミコ。
もちろん聞いたことはあるけれど、私のような庶民が手にするようなブランドではない。
どんなものを取り扱っているのかすら知らないような、有名ブランドだ。
著名人などのごく一部の人が身につけるブランドというイメージで、実際、そういった人たちがオーダーしているという話題をテレビなんかで聞いたことがある。