激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「祖父がカシイミコの会長、父親が社長、兄が副社長。そんな家系でひとり弁護士の道を目指したいと言ったら、喜ばれないのはわかるだろう?」
紹介された家系が凄すぎて、話の内容が入ってこないところだった。
「えと……要するに、家を継いでほしいと、そういう感じですかね」
「まぁ、そういうことだな」
「そっか、それで弁護士になるのが反対という……」
「両親的には、俺は道を逸れたわけだからな。そんな家系の中で、伯父が弁護士をしている。今の事務所は伯父のものなんだ」
道を逸れた、か……。
あっさりそんなこと言っているけれど、それをきっかけにご両親との仲は悪くなったりしていないのだろうか。
私がする必要な心配ではないかもしれないけれど、少し気がかりに思う。
それにしても、弁護士の上に由緒ある家の御曹司だとは驚いた。
そんな話をしているうち、「失礼します」と個室にスタッフが訪れる。
運ばれてきたのは前菜で、紺色で長方形の美濃焼きと思われる皿の上には、上品に五品のメニューが載っていた。
「今の仕事にはなぜ就こうと?」
突然こっちに話を振られ、ハッとする。
じっと顔を見つめられているところに目を合わせてしまい、不意に鼓動が跳ねた。