激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「なぜと言われるともうわからないんですけど……気づいたらネイリストになりたいって思ってました。女性の爪が綺麗なことに、すごく魅力を感じていたんだと思います」


 そんな話をしながら、自分の手元に視線を落とす。

 六月に入るのを前に、私の爪はアジサイをイメージしたニュアンスネイルにチェンジしたばかり。

 アジサイの紫と青をイメージしたカラーをまだらにベースにし、オーロラフィルムを載せた爪や、ストーンを飾った爪と、ランダムにデザインした。

 季節に合わせて自分自身の爪をデザインするのも、施術に来店したお客様の参考になる。

 よく、『一緒のデザインにしてください』と言ってもらうこともあるのだ。


「なんだろう、指先が綺麗でキラキラしているのって、気分が上がるんですよね。指先っていつも視界に入るものですし。デスクワークのお客様なんかがよく言ってくださるのは、爪が綺麗だと仕事中も気分がいいし、効率も上がる気がするなんて話もしてもらえたり」


 私自身も実際そうだ。

 忙しくてネイルをしていないときは、なんとなく気分が上がらない。

 やっぱり綺麗な手元だと何をしていてもほんの少しだけハッピーになるのは、ネイルの不思議な視覚効果なのだと思う。

 私にとったら、ネイルを施すことはもう特別なことでなく、人生に当たり前のことなのだ。

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