激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「いろいろ質問をしてもいいか?」

「え? あ、はい」

「まずは、好きなものを訊こう。好きな食べ物は」

「食べ物。えっと、なんでしょう。これといってないんですけど、強いて言うならパスタ全般です」

「好きな色は」

「色? 色は……緑ですかね。アースカラーが好きかな。山育ちだからかもしれませんが」


 香椎さんは淡々と私の好きなものを訊き、続いて「趣味は」と話題を変える。


「趣味……これといってないですけど、強いて言えば映画鑑賞ですかね」

「それは映画館で?」

「映画館にはなかなか行けないので、だいたいは部屋で観たい映画を観てます」


 香椎さんから繰り返される質問に答えながら、こんなに私のことを訊いてどうするのだろうかと不思議に思う。


「なんでこんなに質問されるのかと、そう思ってるんだろう?」

「へっ……!」


 私が疑問に思っていたことをいいタイミングで訊いてくる香椎さんはエスパーのようで、またどきりと心臓が驚く。

 もしかしたら、職業柄そういうのを感じ取るのが優れているのかもしれない。

 心理戦をしたら絶対負ける相手。弁護士だもん、当たり前だ。

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