激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「今日は、お互いを知るために会う約束だっただろ? だから知ろうとしてるんだ」
「あ……」
そっか。だからいろいろ訊いてるってことか。
「この間の話は、冗談ではないんですね」
「冗談? 冗談でこんな風に会うと思ってたのか」
「それは、そうなんですけど……」
「ですけど?」
訊き返されて、胸の内に秘めていることを訊ねてみようかと考える。
「その、代理婚約者の件ですけど、私でなくてもいいんじゃないかって疑問が」
香椎さんは黙ったまま小首を傾げる。
「頼んだら、喜んで引き受けてくれる相手がたくさんいると思うんです。私みたいに困る人じゃなくて、むしろやりたいって人が。そういう人に頼んだほうが、話もスムーズにいくんじゃないかって思って」
香椎さんが婚約者のフリをしてくれと頼めば、手を挙げる女性は無数にいるはず。
そういう相手のほうが協力的で、香椎さんも楽に決まっている。
私に頼む必要なんて、何もメリットが何もないのに……。
すると突然、香椎さんはフッと吹き出すように笑う。
口を押さえ、私に向けたその視線がまたどこか意地悪く目に映った。
「だから君に頼んでいるんだ」