激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 そんな結論に至ったときには、気づけばデザートまでが出てきていた。

 柚子のさっぱりとしたアイスに舌鼓を打っていると、すぐにスタッフが席に戻ってくる。

 香椎さんがテーブルチェックをし始めてから慌てて「あのっ」と声をかけた。


「すみません、お支払いを」


 となりの席に置いておいたバッグを慌てて掴み、財布を取り出したところでスタッフが「お預かりいたします」と席を立ち去っていく。

 その手にあるトレイには、香椎さんから預かった黒いカードが載っていた。

 ブラックカード!? と驚いている私を前に、香椎さんはフッと鼻で笑う。


「必要ない。誘ったのはこっちだ」

「いや、でも。そういうわけにはいかないです」


 かなり高額な飲食代に決まっている。自分の分くらい出さないと気持ちが落ち着かない。

 デザートを終えしばらくすると、会計処理をしたスタッフが香椎さんの元に戻ってくる。

 スタッフは丁寧に挨拶をし、私にも頭を下げて席を離れていった。

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