激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「家まで送る」
「え、家までって」
「この近くに車を停めているから」
地上に出て路上を歩きだしても、香椎さんの手は私の右手と繋がれたまま。
寿司屋の地下から上がるタイミングで手を取られ、階段を上がるための気遣いだとばかり思っていた。
だけど、すっかり話すタイミングを失いこんな風に手を繋いだまま歩いている。
どこを見て歩けばいいのか、視線が定まらない。
脚の長さが違うから歩くペースも違うはずだけど、香椎さんは私の歩幅に合わせて歩いてくれている。
そんなところにも余裕を感じて、こんな風に女性を連れて歩くことにも慣れているんだろうなと勝手に思った。
「あの……すみません」
でも、さすがにこの状況が我慢ならなくなって声をかける。
顔を上げてちらりと見上げた香椎さんは、私を見下ろし「どうした」なんて至って普通の様子。
「手、を……」
そろそろ離しませんか。そう言おうとした私の手を、香椎さんはくいっと自分へと引っ張る。
「なんだ、これじゃ不満なのか」
「へ?」
香椎さんは何を思ったのか、「意外とわがままだな」なんて言葉と共に手を離し、その手を私の腰へと回す。
驚いて「ひゃっ」と声が漏れ、反射的に体を離そうとした私を、香椎さんはがっちりとホールドしてしまった。