王様に逆らった時【完】
体育館前。
気がつくと超不機嫌な想ちゃんと私の二人だけ。
朝のひんやりした風が吹き抜ける。
「…どういうつもり?」
威嚇するかのような目。
「ごめ…、じゃなくて、あの、か、可愛くなりたくて、」
つい謝ってしまいそうになるけど、グッと堪える。
やっぱり王様に逆らうのは怖い。
「あっそ。俺の言いつけ破ってまで可愛くなりたいんだ?」
呆れたような表情。
汗で少し湿った想ちゃんの髪が揺れる。
恐る恐る首を縦に振る。
きっと想ちゃんは勘違いしている。
他に男の子にモテたいから、可愛くなりたいと思ってるんだろうけど、そうじゃない。
「…んだよ、」
深くつかれるため息に、思わず肩に力が入る。
怖くて未だに目は合わせられないまま。