子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
飲み会でも家飲みでも、相手がいればもっと楽しく飲めるんだろうな。
つらつら考えているうちにお店に着いた。
「スペイン料理のバルだ」
バル? ほぅ、レストランバーか。
ドアベルを鳴らししながら中に入ると小洒落た空間が広がっていた。さすが竜神さんのおすすめだけはある。
丸いテーブルをふたりで囲んだ。
メニューを広げてしばし悩む。
ピンチョスくらいならわかるけれど?
サルピコンやらエスカベッシュやら、私の知らないおいしそうな料理がメニューに並んでいる。
「竜神さん、私は嫌いなものもアレルギーもないので、竜神さんが食べたいものを頼んでくださいね」
悩みようがないので、竜神さんに丸投げした。
「わかった。飲み物はビールでいいか?」
「はい」
「苦いのと苦くないの、どっちがいい?」
「苦くないのがいいです」
「じゃあアムステルにしよう」
さすが。飲みに来るなら竜神さんと一緒に限るわね。
早速、竜神さんはスマートに注文し、間もなく届いたスペインビールで乾杯だ。
「お疲れ様でーす」
「お疲れ」
コンとグラスを鳴らし、ごくごくとビールを飲む。弾ける炭酸の泡と一緒に、一週間の疲れが取れるようだ。
「いい飲みっぷりだな」
「お酒が弱いわけじゃありませんのでね」
むしろ好き。
「竜神さんは凄く強そう」
「まあな、飲み比べてみるか?」
「絶対勝てないからいいです」
フッと優しい顔で笑う竜神さんを見るのは新鮮だ。
会社にいるときとはちょっと雰囲気が違う。肩の力が抜けているというか、表情もどことなく柔らかい。
つらつら考えているうちにお店に着いた。
「スペイン料理のバルだ」
バル? ほぅ、レストランバーか。
ドアベルを鳴らししながら中に入ると小洒落た空間が広がっていた。さすが竜神さんのおすすめだけはある。
丸いテーブルをふたりで囲んだ。
メニューを広げてしばし悩む。
ピンチョスくらいならわかるけれど?
サルピコンやらエスカベッシュやら、私の知らないおいしそうな料理がメニューに並んでいる。
「竜神さん、私は嫌いなものもアレルギーもないので、竜神さんが食べたいものを頼んでくださいね」
悩みようがないので、竜神さんに丸投げした。
「わかった。飲み物はビールでいいか?」
「はい」
「苦いのと苦くないの、どっちがいい?」
「苦くないのがいいです」
「じゃあアムステルにしよう」
さすが。飲みに来るなら竜神さんと一緒に限るわね。
早速、竜神さんはスマートに注文し、間もなく届いたスペインビールで乾杯だ。
「お疲れ様でーす」
「お疲れ」
コンとグラスを鳴らし、ごくごくとビールを飲む。弾ける炭酸の泡と一緒に、一週間の疲れが取れるようだ。
「いい飲みっぷりだな」
「お酒が弱いわけじゃありませんのでね」
むしろ好き。
「竜神さんは凄く強そう」
「まあな、飲み比べてみるか?」
「絶対勝てないからいいです」
フッと優しい顔で笑う竜神さんを見るのは新鮮だ。
会社にいるときとはちょっと雰囲気が違う。肩の力が抜けているというか、表情もどことなく柔らかい。