魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
『からかうとか本気とか以前に、どうして……私なんですか』
芽唯の質問に、答えられなかった。
いや、自分の中にその回答はあるから、答えなかったが正しいか。
芽唯は俺の本心がわからないと言ったから、それを示してやればよかったんだろう。
だが、話したところで納得させられたとは思わない。
俺は手近なベンチシートに移動して、半ば脱力気味に腰を下ろした。
「本気で欲しいと思ったの、いつ以来だ……?」
顎を引いて顔を伏せ、自嘲気味に独り言ちた。
欲しがることなど、とっくの昔に諦めたのに――。
俺は一人っ子で、共働きの両親のもとで育った。
二人とも家を顧みないわけじゃないが、仕事が忙しく不在がちだった。
金だけはあったから、俺が留守番中退屈しないようにと、最新のテレビゲームにグランドピアノ、遊び相手にはマルチーズの子犬を買い与えてくれた。
ピアノのレッスンに通うようになって、家で一人で過ごす時間は減ったし、犬と遊んでいるとあっという間に夜になってくれた。
でも、俺が本当に求めていたのは、学校から帰った俺を『お帰り』と迎えてくれる母親で、休日にはキャッチボールの相手をしてくれる父親。
芽唯の質問に、答えられなかった。
いや、自分の中にその回答はあるから、答えなかったが正しいか。
芽唯は俺の本心がわからないと言ったから、それを示してやればよかったんだろう。
だが、話したところで納得させられたとは思わない。
俺は手近なベンチシートに移動して、半ば脱力気味に腰を下ろした。
「本気で欲しいと思ったの、いつ以来だ……?」
顎を引いて顔を伏せ、自嘲気味に独り言ちた。
欲しがることなど、とっくの昔に諦めたのに――。
俺は一人っ子で、共働きの両親のもとで育った。
二人とも家を顧みないわけじゃないが、仕事が忙しく不在がちだった。
金だけはあったから、俺が留守番中退屈しないようにと、最新のテレビゲームにグランドピアノ、遊び相手にはマルチーズの子犬を買い与えてくれた。
ピアノのレッスンに通うようになって、家で一人で過ごす時間は減ったし、犬と遊んでいるとあっという間に夜になってくれた。
でも、俺が本当に求めていたのは、学校から帰った俺を『お帰り』と迎えてくれる母親で、休日にはキャッチボールの相手をしてくれる父親。