魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
そこから扉の向こうを覗き込むようにして、空を見上げる。
そして。
「うっわ、危ねっ」
彼にしては珍しく、上擦った声。
私もハッとして、彼の視線を目で追った。
目と鼻の先の滑走路に他社機が着地を試み、高度を下げてきていた。
だけど、左右の主翼がユラユラと大きく揺れ、機体を水平に保つことができない。
もう少しというところで強い横風に煽られ、結局着陸を断念した。
着陸復行……ゴーアラウンドして、再び空に飛び立っていく。
「ヒヤヒヤさせるなー。もうちょっとで左翼地面に擦るとこだったぞ、あれ」
あわや大惨事――。
私も一瞬跳ね上がった胸に手を当て、恐る恐る扉に近付いた。
佐伯さんの隣に並ぶと、雨飛沫が頬を掠める。
屋内なのに、突風で足が掬われそうになった。
「上空。かなりの数が旋回してる」
佐伯さんが空を睨み上げ、ポツリと独り言ちた。
「天気予報によると、この雨風が強い状況、今夜九時頃まで続くそうです」
「らしいな」
「搭載燃料、大丈夫でしょうか」
私の質問に、「うーん」と唸って腕組みをする。
「これだけ酷いと、余裕がある便は関空にダイバートさせるだろうから。つまりあれ全部、羽田以外の着陸が難しい便だよな」
そして。
「うっわ、危ねっ」
彼にしては珍しく、上擦った声。
私もハッとして、彼の視線を目で追った。
目と鼻の先の滑走路に他社機が着地を試み、高度を下げてきていた。
だけど、左右の主翼がユラユラと大きく揺れ、機体を水平に保つことができない。
もう少しというところで強い横風に煽られ、結局着陸を断念した。
着陸復行……ゴーアラウンドして、再び空に飛び立っていく。
「ヒヤヒヤさせるなー。もうちょっとで左翼地面に擦るとこだったぞ、あれ」
あわや大惨事――。
私も一瞬跳ね上がった胸に手を当て、恐る恐る扉に近付いた。
佐伯さんの隣に並ぶと、雨飛沫が頬を掠める。
屋内なのに、突風で足が掬われそうになった。
「上空。かなりの数が旋回してる」
佐伯さんが空を睨み上げ、ポツリと独り言ちた。
「天気予報によると、この雨風が強い状況、今夜九時頃まで続くそうです」
「らしいな」
「搭載燃料、大丈夫でしょうか」
私の質問に、「うーん」と唸って腕組みをする。
「これだけ酷いと、余裕がある便は関空にダイバートさせるだろうから。つまりあれ全部、羽田以外の着陸が難しい便だよな」