魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
ゆっくり唇を離し、そっと目蓋を上げた。
呆然と目を瞠る彼と、真っ向から視線がぶつかる。


「わっ……私が自分からこうやって触れたいと思うのは、神凪さんだけですからっ……」


我ながら大胆なことをした自覚があるから、カーッと顔に血が上った。


「だから、ええと……」


一気に湧いた恥ずかしさに、勢いよく顔を伏せ、


「私も、好きです」


消え入りそうな声で告げる。
神凪さんは、呆けたようにポカンと口を開けていたけれど。


「は、はっ……」


金縛りが解けたみたいに、声を漏らした。


「……女に好きって言われて嬉しいの初めてだ。……最高」


噛みしめるように呟くと、私をぎゅうっと抱きしめる。
私は彼の引き締まった胸に顔を埋め、おずおずと背中に両腕を回した。


「芽唯。芽唯」


神凪さんは、私の存在を確かめようとするみたいに、何度も名前を呼びながら、額に、頬にキスを降らせる。
最後は、私の頭を掻き抱いて唇を奪った。


玄関先に、濃厚なキスの音が艶かしく響く。
それでも、恥ずかしいと思っていられないほど、私も彼も熱情に煽られ――。


「……もっと」


神凪さんが私の肩に額を預け、くぐもった声を零した。


「芽唯、もっとお前に触れたい。早く、早く……」


劣情を憚らず逸る言葉に、私の胸は限界を超えて高鳴った。
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