魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
ターミナルビルを背に、三人の整備士が歩いていた。
主任と佐伯、真ん中にいるのが芽唯だとわかる。
身長差がありでこぼこだが、皆作業着にヘルメットを被った揃いの格好で、お笑い芸人の下手なコントを見ているようだ。
俺は顔に手を当て、ついつい頬の筋肉が緩むのを隠した。
もちろん、芽唯は気付く由もない。
肩から大きく腕を動かし、手を振っている。
誘導路との分岐点まで来ると、三人とも両足を揃えて立ち止まった。
芽唯がこちらに顔を向けた。
ずっと彼女を見ていた俺と、視線が交錯したと感じたのは、気のせいではなかったらしい。
芽唯はしっかり背筋を伸ばし、額に手を翳して敬礼した。
芽唯に見送られて飛び立つ時、俺はなにを思うだろう……。
彼女への想いを自覚してから、俺はこの瞬間を迎える時の心境を、そんな風に想像していた。
複雑に考えるまでもない。
頼もしく、温かい温もりに包まれている。
自分自身で実感して、なんとも言えない心強さに満たされた。
――ああ、本当にホッとするな。
佐伯が心を動かされたという瞳の『落とし文句』に、俺も今、心の底から同調する。
俺はクスッと笑って、窓越しに同じポーズを返した。
彼女にも見えたのか、今度は深く腰を折って頭を下げた。
主任と佐伯、真ん中にいるのが芽唯だとわかる。
身長差がありでこぼこだが、皆作業着にヘルメットを被った揃いの格好で、お笑い芸人の下手なコントを見ているようだ。
俺は顔に手を当て、ついつい頬の筋肉が緩むのを隠した。
もちろん、芽唯は気付く由もない。
肩から大きく腕を動かし、手を振っている。
誘導路との分岐点まで来ると、三人とも両足を揃えて立ち止まった。
芽唯がこちらに顔を向けた。
ずっと彼女を見ていた俺と、視線が交錯したと感じたのは、気のせいではなかったらしい。
芽唯はしっかり背筋を伸ばし、額に手を翳して敬礼した。
芽唯に見送られて飛び立つ時、俺はなにを思うだろう……。
彼女への想いを自覚してから、俺はこの瞬間を迎える時の心境を、そんな風に想像していた。
複雑に考えるまでもない。
頼もしく、温かい温もりに包まれている。
自分自身で実感して、なんとも言えない心強さに満たされた。
――ああ、本当にホッとするな。
佐伯が心を動かされたという瞳の『落とし文句』に、俺も今、心の底から同調する。
俺はクスッと笑って、窓越しに同じポーズを返した。
彼女にも見えたのか、今度は深く腰を折って頭を下げた。