先生と私の三ヶ月
六階の自分の部屋に行くと慌ててシャワーを浴びた。一日中歩いたので汗だらけだった。

 10分でシャワーを浴びて先生に頂いた紙袋を開いた。紫色の上下の下着を見た時、ドクンっと胸が高鳴った。これを着けたら先生に脱がされるような事になるのではないかと、不埒な妄想が浮かぶ。

 何を考えているんだろう。ただ単に着がえのない私の為に用意してくれただけだ。きっと店の人に言って選んでもらったんだろう。昨日くれた水色の下着だってそうだったし。

 先生が私に下心を持つ訳ない。私は女として見られていない。アシスタントなのよ。しっかりしなきゃ。パチンっと両頬を叩き気を引き締めた。

 紫の下着を身に着け、ナチュラルカラーのパンストを履き、その上にローズレッド色のワンピースを着た。

 膝丈で、パンストを履いていても膝から下が全部出るのが恥ずかしい。胸元も広めに開いていて、首から鎖骨が全開。胸の谷間が見える程ではないけど、もう少し布が欲しい。

 ウェストもぴったりとしていて、何だか落ち着かない。まあ、過度にセクシーではないけど、こういうのはスタイルのいい人が着る服だ。お腹ぽっこりは……鏡を見ると大丈夫だった。

 二つ目の紙袋にはワンピースと同じ色の上品なハイヒールが入っていた。ヒールを履いて鏡の前に立って見てみると、首から下は別人みたい。ダサいと言われた眼鏡だけがいつも通りの私過ぎて、妙に可笑しい。
 
 眼鏡を外して行こうか? 車の運転をする訳じゃないから、裸眼でも大丈夫だし。女性らしい服を着たから、先生に少しでも綺麗だと思われたい。女性としての私を見て欲しい――いや、ダメよ。私は人妻なのよ。

 やっぱり眼鏡はつけて行こう。先生の事なんか、何とも思っていないんだから。
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