先生と私の三ヶ月
「こ、これティファニーじゃ」
 首にかかった金色のネックレスには六角形の形をしたダイヤが付いている。同じ物を雑誌で見た事がある。たしか、百万円近くするものじゃ……。

「ガリ子でも知ってるんだな。そういうの興味ないと思ってたが」
「い、頂けません。こんな高価な物」
「いいのかそんな事言って? お前の一月分の給料だぞ」
 先生が可笑しそうに笑う。

「どういう事です?」
「今月は物品支給という事だ。金にしたかったら質屋にでも持って行くといい」
「まさか、ワンピースと靴も?」

 先生が可笑しそうに頷いた。勝手にお給料を使われたような気になってさっきまでのシンデレラになったような喜びが半減した。

「お前の労働の対価だ。遠慮なく受け取れ」
 私は一体、先生に何を期待してたんだろう。顔から火が出るぐらい恥ずかしい。

「よし、メシにしよう」
 先生がレストランに入って行く。私も後に続いた。
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