先生と私の三ヶ月
「おじゃまします」
 緊張しながら中に入ると、ヨーロッパのお城みたいだった。
 とにかく玄関ホールが広い。天井が高い。

 天井にはアンティーク調のシャンデリアがぶら下がっていて、それがお城感を醸し出している。

 ホールの正面には階段があって、ホールの周りには焦げ茶色のドアが四つもある。

 ドアの奥もやっぱりお城みたいな感じなのかな。想像するだけでわくわくする。

「こっちですよ」

 黒田さんが正面の階段の方を指した。

「はい」

 黒田さんに続いて階段を上った。三人横並びで歩いても余裕がありそうなぐらい広い。赤絨毯が敷かれていたらお姫様が歩いていそう。

 うわっ、階段の途中に大きな窓がある。お庭に咲いているライトアップされた薔薇が見える。素敵だな。本当、お姫様の生活って感じがする。

 望月先生って、やっぱりお姫様みたいな人なのかな?
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