先生と私の三ヶ月
結婚したら幸せになれると思ったのに、なんで私は今、不幸だと思うんだろう。こういう時、純ちゃんにそばにいて欲しい。メールの返事ぐらいくれたっていいじゃない。夫婦なんだからさ。

 薄々わかっていたけど、私は純ちゃんにあまり愛されていない。
 もう限界なのかな……。

 ため息が出た。
 ソファの上にゴロンと横になり白い天井を眺めた。

 流星君の事が浮かぶ。

 流星君は望月先生から父親の事を聞いたんだろうか。流星君を置いて駆け落ちしたなんて辛い話だよね。考えただけで胸が痛い。

 全部、私のせいだ。私がいけなかった。
 なんで私は電話できるなんて言ってしまったんだろう。

 望月先生、まだ怒っているかな。
 いや、私の事なんかとっくに忘れているか。

 先生から連絡は何もないし。黒田さんからもない。
 もうみんな私の事を忘れたんだろうな。それで新しいアシスタントが来ていそう。きっとその人は私と違って余計な事を言わない優秀な人だろう。

 ピンポーン。

 インターホンが鳴ったけど、居留守でいいや。ソファから起き上がるのが面倒くさい。荷物が届く予定はないから、どうせ新聞の勧誘とかセールスだろう。

 ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。

 しつこい!
 
 いくらなんでも鳴らし過ぎ! もしかして悪戯?
 ガツンと言ってやる。
< 60 / 304 >

この作品をシェア

pagetop