夜と遊ぶ
「大体の男は、好きじゃなきゃわざわざこんな風に夜景を一緒に見に来たりもしないと思うけど?
少なくとも、俺はそういうタイプ」
それって、そういう意味?
いつものように、一夜の冗談なのかもしれないから。
「じゃあ、付き合ってよ」
「いいよ」
あっけなく、そう予想外に受け入れて貰えたから、そのあっけなさに不安になる。
「…いいの?」
本当に、いいの?
「うん。けど、俺、女の子と付き合っても、結婚は一生しないつもり。
ヤクザで、それなりに有名だから、俺は銀行に口座を作る事すら出来なくて。
まあ、それはこの世界入る前から、銀行によってはあったんだけど。
うちのじいさん有名だから。
だから、俺と結婚したら、その相手の女の子もそうなっちゃう。
それだけじゃなく、色々ね。
色々と、大変。
この先、もっとその辺り厳しくなるかもしれないし。
この世界、内縁の妻とかで奥さん居る人も居るけど、俺はそれは考えてない。
まあ、俺の彼女でいるくらいなら、それほど不便もないだろうけど」
「そうだね…」
私もこの人と結婚迄は、今の段階では微塵も考えてないけど。
でも、あえて初めにそう言われたら、考えてしまった。
初めから、いつか終わると分かっている関係。
もし、私が全てを捨てるから、結婚して欲しいと言っても、
この人はそれはきっと受け入れてくれないだろうな。