オー!マイ・ハワイ!
天使の出立ちとはウラハラに、口から次々出てくる毒蛇。初対面で良くそこまで言えるもんだ。

「おい、失礼だろ……」
「本当にこの人が、婚約者なの?」

まなみがキョトンとしていると、修二はじっとまなみを見てこう言った。

「ああ、そうだよ。婚約者の高山まなみさん。今度のお披露目パーティーに合わせてきてもらうつもりだったけど、早めにハワイに呼んだんだ」

婚約者? 誰です? まさか私のことですか? まなみは訳がわからず立ちつくしていた。

「ふーん、お兄さま、こういう女がお好きなの? ヒョロヒョロで、ワガママそう。でも胸だけは合格ね。」

おーい!! さっきから黙って聞いてりゃ言ってくれるじゃんか、このガキ!! いやガキというにはそこまで幼くないか……高校生くらい? いや、いまの論点はそこじゃない。婚約者ってどういうこと?

まなみは言いたいことが頭の中で大渋滞をおこして、なかなか言葉が出てこなかった。「わたしは、あんたなんか認めない。お兄さまにはもっとふさわしい方がいるはずよ」

詩乃(しの)いいかげんにしろよ」

「ふんっ!お兄さまには、由香さんの方がよかったのに……」

詩乃と呼ばれた修二の妹らしき女の子は、そういうとそっぽをむいてスタスタと廊下の向こうに一人で歩いて行ってしまった。由香さん? 誰?

まなみはポカーンと口を開けたまま、詩乃が去っていくのを見ていた。
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