オー!マイ・ハワイ!
修二もやれやれとため息をつくと、そのまま立ちつくしていた。
どれだけお互い静かにしていただろう。まなみがやっと口を開いた。

「修二、どういうこと?」

「……昼間、何かお礼しなきゃって言ってたし、俺の頼み聞いてくれるよな」

「え? ちょっと待って、それってどういう……」

「ハワイにいる間だけでいい、俺の婚約者になってくれ」

「はぁ?」

「この通り、俺を助けると思って」

修二はパチンと手を合わせて頭を下げてきた。

「ちょっと待って、ちゃんと説明してよ」

「わかった、ここじゃなんだから俺の部屋きて」

部屋に? 部屋にいくってなぜ? つまりそういうことだよね?

「大丈夫、何もしないから」

そう言って修二はニコッとする。パーティーでのキリッとした顔とのギャップが激しすぎて、ドキドキが止まらなかった。

部屋に行って、何もしないのか。それもつまらん。どうせいっときの夢であれば、最後の最後まで楽しみ尽くしてやろうじゃないか。

「何もしないなら、行かないわ」

「……わかった」

修二はまなみの手をギュッとにぎるとスタスタとエレベーターに向かって歩いて行った。まずい!このままじゃ…!?!?
まなみは顔を背けようとするが、修二の押さえる力が強い。なんとかしなきゃ!!

「修二……やめっ……」

ガタガタ震えながら、声を絞り出そうとする。

「まなみ、力抜いて?」
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